「図書館戦争」見てきたよ

映画1000円の日に「藁の楯」「変態仮面」「図書館戦争」をいい流れで見たいなあと思ってて、チケット買うときに「予告始まってるけどまだ入れますよ」と言われたので優先順位が低かったけど見ることにしましたが、事前の期待以上のおもしろさがありました。

原作は設定とかは嫌いじゃないけど、あの会話文とか別名ナントカとか掛け合いとかの読んでて恥ずかしくなる感じが苦手なのでテキトーに流した程度、特に思い入れもなく見たのですが、とにかく戦闘シーンをがっつりやってガンガン撃ってて迫力ある出来になってました。ちょこっとだけあったラブ要素は、救出に向かう車中でデレ開放しちゃっていろいろ言ってるシーンは要らなかったような…。それまでにデレてたから言われなくてもわかるし!当人たちが周囲にバレてないつもりだけどバレバレなのがいいのに!

結構な娯楽作品だけど、メディア規制に関する部分とかその他いろいろと考えさせられることも多かったです。

図書館として守らなければならないこと。最近佐賀のど田舎あたりで図書館が守るべき権利や自由を放棄してるような雰囲気がありますが、図書館は本屋やレンタルショップとは違う存在だと思うんですよ。年に一回も貸し出しされないような書籍の中に過去から積み上げてきた歴史や思想が詰まってて、そういうものを主義主張関係なく淡々と守っていくのが、回転率のいい書籍ばっかり並んでるとは違う、公共サービスとしての図書館という存在なのではないかと。

有害図書とかメディア規制とか。他人の読む権利を奪うのではなく、自分の権利を捨ててしまえばいいんですけど、どうしても規制するほうに流れがちです。歴史において人類が犯したいちばんの悪行は焚書であると常々思っていますが、ほんとうに本が燃やされるのを見るのはつらいです。ネットが普及した昨今、焚書的な行為は物理的には可能でもデータ的には不可能になっているとは思いますが、例の都条例騒動を見てると、現実に起こりうる可能性はあるんでしょうね。

専守防衛ではあるが戦力を持つ組織のあり方。ここんとこ、他国からのごにょごにょもあったりで、自衛とか防衛とかに対して考える機会が増えていますが、殴られないと殴り返せないし殴り返すときも手加減しないといけない、あっちは好き勝手やってるのにこっちは手足を縛られた状態で自分の身を守りつつ任務も遂行しなければならない、それはかなり困難なことで、こっちはやる気ありませんという姿勢でもあっちがやる気でやってきたとしたらこっちはやられて被害を受けるわけだし、けっして戦争したいわけじゃないけれど、守るべきものを守るときにはある程度の力は必要ですよねえ。だとしたら軽々しくあっちにやらせないよう抑止力を持つのが一番平和なやりかたじゃないのかなあ。いまはそれすら放棄しろ、一方的に殴られろって意見が多いですけどね。

見知った場所が戦場になり破壊されること。大規模な集団戦闘シーンがあるのですが、この作品はロケ地がご近所だったため作品中で激戦地となったのは自分が見知ってる図書館や美術館で、フィクションだとわかっていても建屋がガンガンに撃たれて弾着でばきばき吹っ飛んでるのを見ると「うわーうちの図書館と美術館に何してくれるんやー!やめてくれー!」と変な動悸がしました。震災関連の報道番組中、津波が襲ってくる映像を出すときに「今から津波のシーンありますよ」的な事前告知テロップが入ることがありますが、見知った場所が破壊される瞬間を見るのは実際かなりストレスになるんですね。結構ダメージあります。こういう感覚を体験する機会は少ないと思うので貴重でしたが、あらためて戦争はやっちゃいかんなあと思いました。

キャストはどれも結構いい感じにはまってたように感じました。ツンデレ教官なV6岡田くんのアクションはキレキレだったし、榮倉奈々は運動が苦手そうな素がかいま見えた部分は残念だったけど、うっとおしいけどかわいらしい役を好演してたし、小牧役の田中圭もバディ感を出してたし、隊長役の橋本じゅんはイケメンすぎて惚れてまうくらいのおいしい役だったし、千明様は美しかった。あと俺たちの鈴木一真がまた変態な役やってました。まさかこんなところで会えるとは。感動した(^ω^)

続編あるんでしょうかね。あってもいいような気がします。またご近所が戦場になるのは微妙ですけど、ドッカンドッカンやらせてくれるロケ地って多くないみたいですからね。

これが小田原の図書館になってた美術館です。ふたつのでっぱりの下に階段とエスカレーターがあり、その下の白いところ土嚢積んで防衛ラインを作ってた感じです。