一時代の終焉

というわけで昨日今日と連続して雪が降り、寒の戻りというか三寒四温というか非常に寒いのだがそれ以上に寒いのが職場の30代前半男子の散髪したてのヘアスタイルで、最近とみに事態は進行していたのだが、今回の散髪の結果、伊藤潤二のうずまき具合を非常に薄くかつ部分的にフィーチャーした状態というか、この傍若無人な自分でさえまったく突っ込めない末期的状況に陥り、なんかもう申し訳なくって直視できない。そしてどう見てもこの数日の気候がますます毛根にダメージを与えています。本当にありがとうございました。
薄くなるのは自然の摂理で仕方ないと思うし、大多数が遅かれ早かれ通る道なのでそれをことさらあげつらうようなことはしない。それがオトナのおつき合いってもんだ。それをなんで「ハゲ」だとか「薄毛」だとか言っちゃうかというと、どう見ても平均値以下に成り下がった毛髪量にしがみついている不自然かつ思い切りの悪い状態に我慢ならないからなのだ。
ヅラ部長と揶揄するのも「どう見てもヅラなのが丸わかりなのに本人だけは『周囲にはバレてない』と確信している不自然さ」からでヅラであることを責めているのではないし、バーコードと嘲るのも「明らかにピーク時より五割減なのに当時の髪型をキープしようとして陥る不自然さ」を嗤っているだけで、決して禿げていることや薄いことに対して攻撃しているのではないのだ。とにかく摂理を無視した「不自然な」毛髪状態が周囲を不安定な気持ちにさせ、なんとも収まりの悪い状態にさせていることに本人は気づいているのだろうか。ていうか気づけ。現実を直視しろよオマエらは。

ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みにうかぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例えなし。

方丈記だよ。「かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたる例えなし」だぞ。とどまらないんだよ。別にいいやんそれで。今の自分を受け入れようよ。

決心してほしい。被っていただいても増やしていただいても構わないし、思い切りよく剃っていただくのもよい。決心後のニューヘアスタイルに対し周囲があげつらうことは絶対にない。心の平安を得て豊かな気持ちで「似合うよ」と暖かい言葉をかけるはずだ。
とにかく、自然なスタイルに無事着地して欲しい。なんで毎日職場でこんな我慢大会してないといかんのじゃまったく。