ズバリ世を忍んでました

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87年〜91年に、成人していた岡村ファンで堂々と「好きだ!」と言えてた人って、絶対少ないと思う(←根拠なし)

はいはい根拠な人間がやってきましたよ。その通りです。言えなかったね〜、絶対。言える雰囲気じゃなかったです。BO遵KWYが解散してユーミンのアルバムが11月の風物詩となりXがメジャーデビューして「イカ天」が始まってたまのランニングがもてはやされユニコーンプリンセスプリンセスが売れていた時代ですよ。そんな時代に気持ち悪い・いやらしい・なんて歌ってるのかわからない・クネクネすんなというキワモノアーティスト扱いの岡村が好きだなんて言えなかった。公言していたのは江口寿史(先ちゃん)と宇都宮美穂(音楽ライター)くらいしか思いつかない。やっぱり曲のそこかしこで喘いでいるようなアーティストを人前で好きだとは言いにくいしなあ。
最近ファンになった人たちはカッコイイと思って(キモカッコイイでもいいですけど)ファンになったり好きになったりしているようだが、デビューして数年間は「気持ち悪い!(ここから小声で)でも好き」というカッコイイとは縁遠い、変なモノ好きというかマニア向けアーティストだったと思う。しかし初期に多大な影響を受けていたプリンス色が消え、岡村ちゃんとしての世界が確立された「家庭教師」以降からはカッコイイ、ファンです!と公言できるようになったかなーと。「早熟」がリリースされたときなぜアルバム3枚しか出していないのにベストアルバム?と思ったのだがここでプリンス色が強かった第1期が終了していることを考えると、タイミングとしてはものすごく絶妙かつ必然だったアルバムなんだろうなあ。

ところで90年代初期に働いていたCD屋で「家庭教師」の頃「どぉなっちゃってんだよ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」「カルアミルク」と連発リリースされ、その度にジャケ写真がどんどんエスカレートしていってて、このままこの人こっちに帰ってこれなくなったらどうしよう何この変なポーズ、と思いながらも面陳にしたりなんかしたりして微少ながら啓蒙活動をしておりました。そんなある日、中学生くらいの男子がお年玉を握りしめ、それまでの岡村ちゃんのアルバム一式全部を買おうとしていたので「オマエ本当にいいのか、こっちはケモノ道だぞ、今なら引き返せるぞ、やめとけ!」と心で叫びつつもレジ処理をした記憶があるなあ。今頃どうしてるんだろう、あの中学生。去年のライブには来てたのかな。今でも岡村のことが好きなんだろうか。