敬老の日

朝から身体が痛くて頭も痛くて調子が悪く薬飲んでガーガー寝てたらママンからメールが入り、ばーちゃんの所に行きたいけど暇じゃね〜?とのお誘いが。ばーちゃんはこの5月に倒れて入院騒ぎになっていたのだが、しばらく前に街中の病院から姥捨て山みたいな辺鄙な場所にある病院に転院し、当然姥捨て山なので交通の便が非常に悪く、ママン宅から公共交通機関で行くとなると2時間近く掛かってしまうらしい。昼過ぎには体調も持ち直してきたので出かけることにした。
姥捨て山は高速ICのすぐ側にある、病院とデイケアとデイサービスとグループホームとが合体した総合老人福祉施設南欧リゾートっぽい建家で見た目的には想像していた姥捨て山イメージとは違ったのだが、折からの雨でなんとなくうら寂しい。そしてすごく静かなのだ。病棟内ですらテレビの音もせず会話する声もなく雨音も聞こえない。
新しい施設らしく非常に明るくきれいな建物で空調も万全、苦手な病院臭はまったくしない。病室はゆったりとした4人部屋で各部屋の入口右手に洗面所、左手にトイレが、これまたゆったりしたスペースで配されている。廊下を挟んだ向かい側には雑談スペースというかテーブルと椅子をしつらえた空間があり、その隣にトイレと洗面完備の個室、それらひとまとまりを1ユニットとしていくつも並んでいるという造り。
病室に行くとばーちゃんは寝ていたのだが、昼から寝てたら夜寝れんやろ!と叩き起こすママン。さすが我が親である。ばーちゃんは「誰かが来そうな気がしてたんよー」と言うが正直うれしそうなんだかなんだか表情がよくわからん。前から耳が遠くて声がものすごく大きかったのがなんか小さい声だし。惚けてるとかいってたがそほどでもなさそう、でも記憶の引き出しが上手く整理されてないふうで、上書きができてないというか同じ場所で延々とロードできずにいるというか、なんて言ったらいいのかよくわかんないけどなんかせつない。ママンとばーちゃんと自分(と1号も)は絶対同じ遺伝子が入ってると一目でわかるほど顔がすごく似てるのだが、並んで座るママンとばーちゃんを見て、何年かするとママンもこうなっちゃうのかなあと思うまたまたせつない。
長居はせずに15分程度で切り上げる。また来るよー今度はひい孫も連れてーと言ったがわかってるのかわかってないのか。
帰り道、ここを右に曲がるとばーちゃんの家が意外に近いのよと言うので来た道とは反対側へ向かうと、姥捨て山からばーちゃんが倒れるまでひとり暮らししていた家まで車で数分、歩いても15分程度の距離しか離れてなかった。なのにものすごく離れているふうに感じるのはなんでかなあ。