学習発表会

1号が入学してから8回目、これが小学校最後の学習発表会。演目は合奏。「なにやるの?笛?」とか聞いてくる保護者さんがいましたが、うちのチビッコがそんな集団に埋没してるわけねえだろよ。たくさん担当がいる楽器だと探すのが面倒くさいから目立つ楽器、やってる人が少ない楽器にして!といってたら見事小太鼓担当だよ。よしよし目立つ目立つ。

保育所時代からの友人と一緒に発表を観てたら「いま一番前の列に保育所で一緒だったYがおるけど小さいやろー、なんかうまくいってないみたいよー」という情報が。当時Yのところは離婚した父親がYを引き取っていて保育所にはおばあちゃんが送迎してたのだが、その後父親が保育所の保護者つながりで再婚、父親+Yと義理母+連れ子女子の新家庭で父親が娘を母親が息子を、夫婦がお互いの連れ子をかわいがってなかなかうまくいってるという話を聞いていた。6年生といえば本当の親子でもいろいろある時期だし、義理の親子だったらいろいろあっても仕方ないし、たしかに周囲と比べたら背が低いけど、身体の小さいのはこれから大きくなる子もいるんだしそんなもんなんじゃない?と遠目からYを見ながらもよその家庭のことだからと流していた。

しかし発表終了後、Yとすれ違ったらそんな楽観視は吹っ飛んだ。コントの病人メイクのように頬がこけ、目の下が黒ずみ、顎が尖り、影が薄く、いまにも倒れそうな、どうみても痩せすぎというより病的で異常な痩せかた。いやおかしいよこれは。絶対におかしい。周囲のYを知る保護者関係から情報収集してみると、どうも虐待されてるんじゃないかという噂が流れ、周囲も虐待の雰囲気を感じ取っているらしい。とりあえず担任を探しだして、Yはどうなってんの?あれは痩せすぎとかいう状態やないやろ?どう見てもおかしいやろ?と問いただしてみた。いや自分何様だよーという感じなんだけどさ、知ってる子だけに心配じゃん。それくらいにこっちの顔色が変わるほどの痩せっぷりだったのだ。

「直前に病欠して体調もまだ悪いから顔色が悪い」でもうちのチビッコみたいに普通に痩せている子とは異質の痩せ方だし、数日間の体調不良でもあそこまで痩せることはない、あれは普段からまともに食事を摂ってないのでは?「学校では給食もたくさん食べてるし」家で食べさせてもらってないから学校で一生懸命食べてるんじゃないの?「休みが続いてたから事前にお母さんに早めに病院に連れて行って体調を整えてくださいってお願いしてたんですけど」でも家族は見に来てなかったじゃん!と最初は当たり障りのない答えをしていたのだが、結局たたみ掛けていくと担任自身もおかしいことには気付いていて、この虐待疑惑話は校長まで持っていってるんですよと、よその家庭のことなのでと詳細までは話してはくれなかったけど、とりあえず学校でできる範囲の対応はしてくれているところまではゲロしてくれた。しかしやっぱり立ちはだかるのはいろんな壁ですよ。いくらおかしいと思っていて助けようとしても学校側ができることには限界があり、職権の及ばない部分で事態が発生してるとやりたくてもできないというもどかしさも持っているようだった。でも何かあったらダメなんだよー。よそのママがさらーっと言ってたけど「死んでやっと助かったってならんかったらいいけどねー」って、まさにそうだよー!なんとかできないんかなあ、もうもう!と非常にやるせない気持ちになった。

そんな流れでよそのママに、うまくいかないのならいっそ養護施設に預ければいいのに近所に立派なのがあるんだからさーいまの施設ってすごくきれいでそっちのほうがうまくいってない家庭で虐待されるよりは安心じゃんみたいなことを言ったら「いやーあたしも施設出身なんだけどさー」ってカミングアウトされた。ぎゃー。こないだ「実はうちの旦那は殺されたんだけどさー」で驚きあがったばっかりなんだけど、最近いろんなことカミングアウトされすぎてびっくりだよ〜。世の中っていろいろあるよなあ!自分もいろいろあったけどなんかもう自分程度じゃ屁も同然、青すぎてすいませんってかんじ。まだまだだな!