スカウター持ってないひと

会社のような上下関係というか指揮系統がハッキリしてる組織内では悩むこともないのだが、チビッコの学校や部活などPTA関係の集まりや習い事の保護者会では、誰が発言力を持ち主導権を握り人々を動かしていくのか、そのひとが指導力や統率力を持っているのか、そこらへんを見極める能力を持っていないとトラブルの種になる。

そういう場面では、やりたい人にやらせておけばいいじゃん自分はやりたくないしと考えてるひとがほとんどなので、手も口も出さずにやりたい人にお任せするというのがベストなのだが、やりたくないのに運悪くやらないといけないことになった場合は仕方ないので、段取りよくさっさと終わらせようぜという早く終わりたい組と時間は掛かっても楽しくやりたい組というたぶんベストな住み分けの元に片づけることになる。

早く終わりたい組は仕事を持ってる保護者が多いので、普段の仕事でもリーダーシップを取ってるような人がこんなふうにしたいけどいいかなとまず提案し、よかったらその線で、不備があれば誰かが対案出して練り直し修正案で進めましょう、といい感じに落ち着くのだが、たまにリーダーシップをとる能力を持ち合わせていないのに勘違いしてしゃしゃり出てくるバカがいると現場は一気に混迷する。

自分くらいの年齢になると、これまでの人間関係や仕事上の経験等から他人の能力値を瞬時に判断するスカウター機能が備わってくる。スカウターの数値で、この場のリーダーはこのひとだとか、この仕事はこのひとに任せてたら大丈夫であるとかがわかる。スカウターの数値が高いひとはそのひと自身も同じようにスカウターを持っていて、こちらの能力値を読まれているので仕事をしたくない場面では戦闘能力を控えめにしておこうとコントロールしたりもするし、自分は控えて戦闘能力の高い人に譲ることもある。スカウターを持っている人間同士が集まれば、人間関係の順列も自然とできあがり、なにをするにしても円滑にいく。しかし、リーダーシップをとれないひとはほぼ全員がスカウターを持ってないのだ。

リーダーシップのとれないひとは先を読む能力がないため、作業終了時刻の設定ができずに作業時間だけが冗長になる。一緒に働くひとたちの能力の見極めのできないひとでもあるため、仕事の割り振りができない。目的のために必要な作業をピックアップすることができないので二度手間三度手間が多く、段取りが悪い。そんなふうにあらゆる場面で能力のなさを露呈しているにもかかわらず本人に自覚がない。なにしろスカウターを持ってないのだから判断できないのだ。

そんなスカウターのないバカ似非リーダーは自分の能力を過大に評価し、周囲の人間の能力を過小に評価する。表で目立つ場面は全部自分が出て満足し、裏で周囲が遁走しフォローしまくっているのにも気付かない。今まではバカリーダーだとわかっていても放置し好きなようにやらせていたのだが、周囲のフォローに対してでしゃばるなと文句たれやがった今回ばかりは「なにあのカス」「ゴミ氏ねよ」と周囲が煮え煮えになってしまい、ひさびさに見た総スカンというか、大人のハブンチョ状態ですごいことになっている。きっともう集まりには顔を出せないでしょうという状況なのだが、必死で裏工作(といってもモロ見え)をしてるのが幼稚で見てると死にそうにおもしろい。

「空気読めない」というのとはちょっと違うんだけど、相手の力量を判断できないひとというのは本当に困りますという話。