死人に口なし

http://www.geocities.jp/flutter_of_earthbound_bird/

これはいかんだろう。なんだこのまんまパクリは。この検証サイトを読んで相当ムカついた。これに比べるとこないだの末次由紀の「スラムダンク」パクリ騒動なんて屁みたいなもんだ。しかもやっちゃった飛鳥部勝則は「殉教カテリナ車輪」の人かよ。なにやってんだよ、もう!

殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)

殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)

はみだしっ子」って連載で飛ばし飛ばし読んでたけど、2頭身のギャグ部分は結構楽しいんだけど、ストーリー自体はすごくヘビーで絵もヘビーで構成も結構難しくって最終回あたりはなんかよくわからなくなって、でもヘビーな結末だったと思う。そして難解。そういう印象。
はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

正直、三原順なんてそんなにメジャーでもないし、一世代前の作品だし、よくパクリに気づいたなという印象。作者の三原順はすでに亡くなっていて、当然ながら急逝だったので、ファンの人たちは昔の作品を復刊させたい作品をまとめたいとかなり熱意のある人が多かったような印象があった。今回の検証サイトを見ても祭りっぽい雰囲気はあまりないが、亡くなってる人の作品をパクったってことで、ものすごく頭にきてるのはわかる。あの当時のマンガを読んでた人で、いまは小説にシフトしてる人は多そうだな。20年前の「花とゆめ」といまの「花とゆめ」を比べると絵柄はともかくストーリーのレベルが全然違うからなあ。昔は雑誌数も少なかったからターゲット年齢層もいまよりもっと上の方だったのかもしれんが、いまは学園ものばかりで好きだ嫌いだそればっかりでそれがどうしたんだ!って物足りないっスよ。いろいろな意味で萩原一至化しちゃった「闇の末裔」はどうなったのかねえ。あれはきちんと終わらせて。当然ながら「ガラスの仮面」は言うまでもないですけど。
闇の末裔 (1) (花とゆめCOMICS)

闇の末裔 (1) (花とゆめCOMICS)

大人になったいま「はみだしっ子」を読んだらどう感じるんだろうか。まだ難しく感じるのだろうか。それとももう大丈夫なのか。ちなみに大人になって読み返して素晴らしさを再確認したマンガは「ワン・ゼロ」。コンピュータ知識を持って読み返すとすごく話がわかる!当時のコンピュータの普及度を考えるとここまでの作品を構築できるコンピュータ知識を持ってたことがすごい。
ワン・ゼロ (1) (小学館文庫)

ワン・ゼロ (1) (小学館文庫)

文学の世界の人たちは作家も編集も含めてマンガを(バカにして)読んでないからこんな事件が起こるのでは。 鷺沢萠*1吉田秋生「河よりも長くゆるやかに」をパクって賞を貰ってたし。これは賞をやったほうも悪いだろう。「吉祥天女」後「BANANAFISH」連載中の吉田秋生なんてビッグネームだろう。「河よりも〜」が連載されてた頃の「プチフラワー」って佳作ばかりの超とんがってた連載陣だったのに。畑違いとはいえ気づかないほうがおかしいのではないだろうか。というか編集サイドはパクリや盗作に気づくようなシステムを作らなきゃ。それが作家を守ることになるのでは。
河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)

河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)

結局この事件のため、自分の中で鷺沢萠は「盗作作家」のままだった。亡くなったときも「あの盗作した作家か」としか思えなかったし。*2いい作品書いていたのかも知れないけど読もうという気にはなれなかった。当然田口ランディも読まないよ。この人は読まなかったとしても問題はなさそうだけど。
盗作は一度やっちゃうと汚名を雪ぐのは非常に難しい。その作家に対する信頼感を根こそぎ奪っちゃうからだ。音楽やってるやつの覚醒剤みたいなもんかね。

*1:故人

*2:「自分がニダー系とカミングアウトした作家か」とも思いましたね、そういえば。さすが斜め上とも思いました。